月刊陸上トレーニング講座12−1月号

基本動作の動画はこちらから

 今回のメインは「入り・振り上げ」です。踏み切ってからの空中動作ですが、空中での動きを意識するあまり、その前の動きがおろそかになりがちです。いつもと同様、助走、突っ込み、踏み切りを再確認しましょう。
 
Voiceは、「入り・反省」です。練習、試合、シーズンの反省などは次に生かすための重要な資料です。シーズンが終了した今、客観的に自分の跳躍を振り返り、冬季練習の計画に生かしていきましょう。

[5.入り・振り上げ]タメを作り、ポールの反発を最大限に生かし、一気に振り上げる

1.踏み切り→入り(タメ):入ることで跳躍に幅をつくる

Point: 跳躍に幅をつくらないと、高さはあってもバーをクリアすることができません。踏み切ってすぐに体を振り上げるのではなく、入り(タメ)を作ってから振り上げる。踏み切り姿勢をキープすることで、ポールが大きく曲がり、大きな反発がうまれます。調子がいいときほど、跳び急ぐ傾向があるので注意しましょう。
[踏み切り→入り]
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 1のように大きく入ることにより、ポールも大きく曲がり、大きな反発をもらうことができます。踏み切りに関しても、高く踏み切らないとポールは立っていきません。踏み切りの意識は、「前に高く!」です。このとき、下半身がはらわれないようにするには、腹筋と背筋の強化が必要です。
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 入る練習としては、鉄棒も有効的です。鉄棒にジャンプ(このとき、4歩くらいの助走をつけて踏み切る練習も意識できます)してつかまり、踏み切り姿勢を保ち、入りを意識する練習。その時に、踏み切り姿勢と肩を入れる意識がPointです。肩を入れるというのは、2のように、肩の位置より首が前に出ていくような感覚です。肩に力を入れすぎて、ブロックしてしまうと大きく入っていけませんので、肩の力を抜いて、肩のストレッチでもするような感覚でやってみてください。この練習の動画は、こちらです。

2.振り上げ:腰を上げるのではなく、肩を落とす意識で

Point: 入りで作った反動を利用し、一気に振り上げ動作につなげる。ロックバック(体を手前に巻き込む)とき、両手はできるだけ伸ばし両手(前)の空間を大きく保つ。振り上げ時に、ヘッドアップ(アゴを上げる)すると下半身が前にはらわれてしまうので、ヘッドアップをしないように。体を手前に巻き込んだら、次は肩を落とすイメージで。肩を落とすことにより、腰もポールに沿って上がっていく。足を上げようという意識では、両手で引き上げてしまう動作になりやすいので、注意しましょう。
練習: 6歩くらいのポールワークで、入りをしっかり作ってから振り上げ動作に移る感覚をつかむ。すぐ振ってしまう場合は、意識としてワンテンポ振り上げ動作を遅らす、ポールが立ちきって、倒れていくと同時に振り上げてみるなど、タメの感覚をつかむ。鉄棒やロープで肩を落とすことにより下半身が上昇する感覚をつかむ。
[振り上げ]動画はこちら
練習方法:6歩での振り上げ練習。普段の振り上げではなく、ワンテンポ振りを遅らせ、タメを作るという感覚を身につける。
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4 3、4振り上げをしっかりおこなうには、その前の動き(突っ込み動作、踏み切り動作など)ができてないとできません。
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5踏み切り姿勢をキープしたまま(踏み切り足がきちんと伸びていること、リード足も写真のように足首がしまっているかなどを注意し)

6ここでは振らずにまだ我慢して中に入っていき(ポールが立ち切るまで我慢)、

7 8 7立ち切ったら、タメ=反動を利用し一気にロックバック(振り上げ前の準備姿勢)から振り上げ

8肩を落とす=腰が上がる意識をして

9 9ヘッドアップ、足首のしめにも注意。それができないと、体とポールが離れてしまいポールの反発がもらえません。

3.振り上げ→引き上げ:肩を落としきってから、体を引き上げる

Point: 肩が落ちてから体を引き上げないと、ポールと体が離れてしまいます。体の中心(両胸の間)を通して引き上げる。倒立して引き上げるときに、足首がしまっていないと、ポールと体が離れてしまうので、注意。
練習: 1.2.3どれもポールワーク、鉄棒、ロープなどを利用して実際の動きに近づけましょう。
[振り上げ練習]動画・ロープはこちら鉄棒はこちら
鉄棒やロープは、棒高跳びの練習で欠かすことの出来ないトレーニング用具です。
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10ロープの下端を保持してもらい、踏み切り姿勢をしっかりと作り、左足の付け根を開くような意識で、大きく反動をつけ一気に振り上げる。写真は、膝から下が曲がっていますが、膝から下の反動ではなく、あくまでも左足の付け根を開くことにより、より大きな反動をつくることができるので意識しましょう。11ヘッドアップしないこと、足首がしまっていることを注意。ここでよくヘッドアップして倒立姿勢に入る姿をよく見かけますが、ヘッドアップの癖をつけてしまうと、実際の跳躍でポールと体が離れてしまい、ポールの反発を生かすことができません。12最後は、しっかりと肩を落とし、胸を張る感じで倒立しましょう。慣れてきたら、ここから真上に体を引き上げる。
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踏み切り姿勢をきちんと作り、腕を曲げずに振り上げる。意識は、腰を上げるのではなく、肩を落とす=腰(下半身)が上がる、という感覚。
  
Voice入り・シーズンの反省
テーマにそって小林史明選手、安田覚選手、近藤高代選手、澤野大地選手、そして私の5人の声を!
1.入り(タメ)で意識していることは?
小林: 「タメやガマン」と言った時間的に長い表現ではなく、「一瞬にして中に入る」。
安田: 強く入って、しっかり踏み切ること。
近藤: 高く入ること。左手の使い方。
澤野: 力をポールに加える時間は短く。早く、一瞬で入る感じ。
鈴木: タメをしっかり作り、跳躍に幅を出すようにする。
2.振り上げ動作で意識していることは?
小林: 踏切足を大きくスイングさせながら両脇を閉める。
安田: すいませんが、あまり意識してません。ただし、ロープスイングとか鉄棒でスイング練習をするときは、肩を支点にして大きな抗を描くことを注意してやっている。
近藤: 素早く振り上げる事。
澤野: 一気にもってくる。だらーっと振り上げるのではなく、スパッと腰の位置をセットする。
鈴木: 肩をきちんと落としきってから、体を引き上げるようにする。
3.空中動作で一番効果のある練習は?
小林: 鉄棒・ロープスイング。
安田: 上で述べたこと。プラス基本動作でのスイング練習や棒幅跳び。
近藤: 私は、鉄棒での振り上げ練習を大事にしてます。
澤野: 鉄棒での振り上げ練習と短助走での跳躍練習。
鈴木: 鉄棒。意識を大切にしていると、タイミングをつかめるようになる。
4.シーズンの反省をどうつなげるか?
小林: シーズン全ての試合を書き出す。それから色々考える。
安田: シーズンの反省を冬季練習の計画の中で補充し取り組んでいく。
近藤: シーズン中に何が出来なかったか、来シーズンはどのようにしたいかをまとめ、それを冬期練習に導入していきます。
澤野: シーズンを通して、何が良くて何が悪かったかを明確にし、悪いところはどうやって直すかなど、はっきりさせていく。
鈴木: メンタル、助走、突っ込み、踏み切り、空中動作など動きを分けて反省してみましょう。これにより自分の弱点、長所などが見つけやすくなり、試合やシーズンの反省にもつながります。
[練習日誌を欠かさず書きましょう!]

 
練習日誌を書く習慣をつけましょう。強い選手は必ず書いています。その日の練習、試合などの状況を書くことにより確実に次につながります。自分の跳躍など客観的に見ることはとても重要ですので、習慣づけてください。
[入りは一瞬?それとも??]
上ではしっかりタメを作り、中に入っていくことを述べました。しかし、1の回答で小林、澤野両選手は、一瞬で入る意識をしています。これは、ポールの反発を最大限に生かすためのテクニックです。ポールはゆっくり曲げると、反発がゆっくりと返ってきます。逆に速く曲げると速い反発が返ってきます。当然、速い反発をもらったほうが上昇する力が大きいので高く跳べます。が、この一瞬で入るという動きは、日本でもこの両選手くらいしか出来ないと思います。本人たちも言っていますが、この一瞬の入りを意識できるようになるには、上で述べたように、タメを作り、中に入っていく動きがきちんとできないと絶対にできないと言っています。まずは、基本をしっかりとマスターしてから自分にあった跳躍スタイルを作っていきましょう。